血圧の自己測定はなぜ必要?

病院で測定する血圧を「外来血圧」と言いますが、普段の血圧と外来血圧の差が激しい人が多く見うけられます。
「白衣性高血圧」といって、医師や看護師の前で測ると緊張から一時的に血圧が高くなる人。逆に外来血圧は正常なのに、
普段の血圧が高い「仮面高血圧」の人。白衣性高血圧の場合はそれほど心配ありませんが、仮面高血圧は日ごろの高血圧状態が
長時間に及ぶ場合があるため、脳卒中、心筋梗塞などの病気の発見の遅れや治療効果の判断ミスにつながりやすく、
合併症のリスクも高まるため、薬物による積極的治療が必要な場合があります。これらを判断するためには、日常生活での
血圧の変化を正しく把握する必要があるため、高血圧の人は血圧の自己測定を毎日行うことが大切なのです。
最近では家庭用血圧計が普及していますので、購入して自宅や職場で血圧を測定するのが一般的になっています。
家庭用血圧計はいろいろなメーカーから様々なタイプのものが販売されており、どんなタイプの血圧計を購入するべきなのか。
そして購入後はどのようなことに注意して血圧を測定すれば良いのでしょうか。

どんな家庭用血圧計を選んだらいいの?

血圧の測定方法には、カフを腕に巻いて血液の流れを止め、カフをゆるめて血液が流れ出した時の血管音を聞いて測定する
聴診法(コロトコフ法)と、途絶えた血液が流れ出したときの動脈壁の振動をセンサーで感知して測定する振動法
(オシロメトリック法)があり、病院では通常は聴診法が、家庭用血圧計の多くは振動法が採用されています。
血圧は上腕で測定するのが一般的ですが、最近ではいろいろなタイプの家庭用血圧計が手頃な価格で販売されており
上腕で測るタイプのほかに手首や指先で測定できる簡易なものまであります。日本高血圧学会の家庭血圧測定ガイドラインでは、
上腕で測るタイプが勧められています。手首や指先などの末端の血圧は変動しやすく測定値に大きな差が出ることがあるため、
基本的には上腕で測定するタイプをおすすめしますが、仕事での移動や宿泊の多い人などは、持ち運びが便利な手首で測定する
タイプを使用してみるのも良いかもしれません。その場合、病院での測定値と大差のないものを選ぶようにしましょう。
家庭用血圧計のメーカーは、オムロン、テルモ、ナショナル、シチズンなどがあり、ネット通販で購入することもできます。

血圧の測り方

血圧の自己測定は朝と晩の2回行いましょう。朝は起床後1時間以内の排尿後、朝食前、降圧薬の服用前に、晩は就寝前に、
座位5分程度の安静後に測定します。お手洗い後は5分以上、飲食、運動、入浴、喫煙後は30分以上経ってから測定する
ようにしましょう。また、血圧は状況や時間によって数値が変動するので、リラックスできる静かな環境で、できるだけ毎日
同じ時間に、同じ姿勢、同じ側の腕で測定します。測定は3回行い、値の近い2つの血圧値の平均を記録すると良いでしょう。
次にカフの巻き方ですが、肘のあたりに触れながら、上腕動脈(脈を打っている部分)を探します。カフのゴム袋の中心が
上腕動脈上になるように位置を決めて、カフの下端が肘の中心から指1本分上に、指が1本入る程度のきつさで巻きます。
家庭用血圧計の操作ミスで多いのがカフの扱い方です。きつく巻きすぎると実際の血圧より低くなり、ゆるく巻くと血圧は
高く表示されます。また、腕の細い人にはそれ用のカフがあります。測定する際は、背筋を伸ばしてイスに座り、上腕の
カフの高さが心臓と同じになるように、肘の下にタオルを置いて調節します。腕には力を入れず、リラックスしましょう。

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